廃用症候群とは

病気や怪我により身体を動かすことができない期間が長く続くことで、身体的・精神的機能が低下する状態のことを言います。

症状として……

  • 筋肉の場合:筋肉の萎縮や筋力低下
  • 骨の場合:骨萎縮(骨が弱くなる)
  • 関節の場合:関節拘縮(関節が硬くなる)
  • 血管の場合:血栓症(血管に血の塊ができる)
  • 皮膚の場合:褥瘡(床ずれ)
  • 精神の場合:意欲低下、認知症
廃用症候群イメージ

廃用症候群は筋肉、骨、心臓、血管系、精神系にも影響を及ぼし、そのまま放置しておくと機能がどんどん低下し、歩けなくなる可能性もあります。
最終的には「寝たきり状態」に移行してしまうため、機能低下が進行する前に予防または改善が必要です。

廃用症候群になりやすい疾患

廃用症候群に移行しやすい原因疾患はいくつかありますが、その中でも多いのが脳血管障害(脳梗塞や脳出血)や骨粗鬆症患者の骨折です。

一例をあげると……

脳血管障害の場合
麻痺により関節の硬さや筋力低下が生じ、自分でできることが限られてしまう。これにより活動量が低下し廃用症候群へ移行。
足の骨折の場合
ギプス固定や体重をかけることが禁止されることにより、固定部位の筋萎縮・筋力低下や関節の硬さが生じる。また、自分で動ける範囲が狭くなることで活動量が低下してしまい廃用症候群へ移行。

このような疾患を持っている方はどうしても不動の時間が多くなり、活動量が低下して廃用症候群へ移行する確率が高くなります。

廃用症候群になったら筋力の低下に注意を

筋力の低下は大腿四頭筋(太ももの前)や殿筋(お尻)、腓腹筋(ふくらはぎ)に起こりやすいと言われています。
これらの筋肉は身体を重力から支えるために必要となる抗重力筋とも呼ばれる重要な筋肉です。
臥床状態が続くと1日約1〜3%、1週間で10〜15%の割合で筋力が低下すると言われています。
また、一度落ちた筋力を改善させるには時間がかかるため、早目の対応が大切になります。

廃用症候群で筋力低下しやすい部位1
廃用症候群で筋力低下しやすい部位2
廃用症候群で筋力低下しやすい部位3

廃用症候群を防ぐには?

上記のような状態をなるべく防ぐためにはリハビリが効果的です。
リハビリでは硬くなった筋肉を柔らかくする効果や、弱ってしまった筋肉を強くする効果があります。
これらの機能が改善することで、日常生活でできなかったことができるようになり、活動の幅が広がります。

しかし、ただやみくもに運動するのではなく、その人にあった適切な運動を実施する必要があります。
そのため、専門的な知識があるスタッフと相談しながら実施することをおすすめします。

訪問リハビリではどんなことをするの?

硬くなった筋肉に対してはマッサージや鍼灸を実施します。
マッサージや鍼灸をすることで血流を改善させることができ、より効果的に関節可動域練習を進めることができます。
また、硬くなってしまった関節に対し筋力トレーニングを実施しても効果が薄くなってしまうので、関節を動かしやすくしておくことは重要です。

筋力トレーニングに関しては、持病によって負荷を変えていかないとなりません。
間違った負荷をかけることで返って逆効果を及ぼすこともあるため、状態に合わせて低負荷から負荷を徐々にあげていきます。
無理をせず継続していくことが大切です。

マッサージ

マッサージとは、手や指で患部を押す、揉む、さする、たたく、振動させる、引っ張るなどの刺激を与えます。
また、患部の状態に合わせて適切なマッサージ方法を選択する必要があります。
マッサージを行うことで血流が増加し、循環改善や新陳代謝を促進する効果が期待できます。

マッサージイメージ

鍼(はり)

直径0.14〜0.34mm程度の極めて細いステンレス製の鍼を使います。
非常に細い鍼を使用するので痛みはほとんどありません。
問題のある患部やツボに刺激を与え、病気の治癒や予防を図ります。

鍼イメージ

灸(きゅう)

弊社では火傷しないように千年灸を使用しております。
鍼灸の効果として、除痛や血行促進効果が期待されます。
血行促進により、発痛物質や老廃物を排出する作用があるため、痛みの軽減や筋肉の張りを改善させることができます。

灸イメージ

訪問リハビリのメリット

1人で通院することが難しい方や歩けない方など、自宅から治療院に通うことが難しい患者さんでもリハビリを受けることができるのが最大のメリットです。

また、訪問リハビリでは利用者さんが実際に暮らしている自宅にてリハビリを実施します。
自宅でリハビリをすることで実際に困っている動作を直接見ることができるため、「どうしたらできるようになるか?」を見つけ出すことができるのです。
専門的な知識を持ったスタッフが患者さんに合った適切な治療を提供することができるため、より効果のある介入が可能となります。

廃用症候群には専門家の指示によるリハビリが効果的

更に患者さんはもちろん、ご家族の方からの相談にも乗ることができます。
私たちリライフ・ケア治療院は、国家資格を持ったスタッフが患者様に寄り添い、まごころのあるリハビリを提供させていただきます。